歯周病のリスクを高める生体因子

歯周病のリスクを高めてしまう『環境因子』と『宿主因子』、そして『生体因子』の3つのリスクファクター。
ここでは生体因子について解説していきたいと思います。
●生体因子●
歯周病は、環境因子や宿主因子でも解説していきましたが、口腔内の状態だけではなく、自身の健康状態とも深い密接関係があります。
●老化●
若い世代の時というのは、免疫機能もしっかりとその働きを担っています。ですが、年齢を重ねていくに従い、こうした機能は少しずつ徐々に低下していきます。
歯周病についても、この変化は当てはまり、歯周病菌に対しての抵抗力も残念ながら弱まっていきます。
こうした経緯から、老化という避けては通れない現象も、歯周病を進行させる要因として当てはまるという事です。
●妊娠●
老化以外には、妊娠も関わりがあります。
女性の方は、妊娠をするとホルモンのバランスが崩れます。この崩れによって、歯や歯茎の健康状態が悪化してしまうケースがあるのです。
それを妊娠性歯肉炎と呼びます。これは歯茎の腫れであったり、歯茎からの出血といった症状が主なのですが、この状態は自分が我慢をしていれば良いという病気ではないのです。
何故ならば、妊娠時の歯周病というのは、妊婦だけではなく、胎児に大きな影響を与えるからです。それが、早産であったり、未熟児の原因になるという問題です。
歯周病菌の中にある毒素の中に、ポルフィロモナス.ジンジバリスという毒素があります。これは、子宮内に移動してくると、免疫細胞が過剰な反応を起こすという変化を引き起こすリスクを高めます。

 

 

この過剰反応を起こす事により、胎児の方へとプロスタグランジンE2というホルモンが流れていきます。聞きなれない名前ですが、このホルモンによって、どのような変化が起こるかというと、陣痛促進剤と同じ役目を果たしてしまうのです。
結果、早産になってしまったり、未熟児の状態での出産という事へと繋がってしまいます。
では治療はあるのかというと、ご安心ください。今は治療法があります。
妊娠した場合、抗生物質の服用というのは、胎児への影響がある為、新しい治療法が発見されるまでは、歯周病菌を抑える薬を服用する事は出来ませんでした。
しかし、今は殺菌水といった、新しい形での歯周病治療を行う事が可能です。
これは薬を服用するのではなく、うがいでの治療です。強力な殺菌力があるのですが、身体に対しての影響がほとんどないという事で、今注目されている治療法です。治療回数も少ない事から、妊娠時の治療として最適といえるでしょう。
●骨粗しょう症●
他にも、骨粗しょう症といった症状もリスクを高める要因として挙げられます。
骨粗しょう症は、骨密度と骨の強度が低下する事で、骨折しやすい状態になっている事を言いますが、こちらも加齢と共に低下していってしまう現象です。
これが歯周病とどう関わってくるのかというと、骨密度を低下させる物質としてエストロゲンがあります。
これが、顎の骨であったり、歯槽骨の骨密度を減少させてしまうという事が分かったのです。そしてさらには、歯周組織の炎症に対しても影響があると言われています。
このように、骨粗しょう症によって、歯に対しても影響が出て来てしまうという事なのです。
●まとめ●
年を重ねていく事で、様々な不調が出てきます。歯周病に対しても、このようにリスクを高めてしまう因子となるという事を認識しておくだけでも、予防や対策に対して意識を持つようになります。

歯周病のリスクを高める環境因子 喫煙

歯周病の原因は、歯周病菌という細菌が直接的な原因ですが、この他にもリスクを高めてしまうリスク要因があります。
このリスクを高めると考えられる危険要素を、リスクファクターと呼びます。この病気にももちろん、こうしたリスクが存在します。歯周病の場合、このリスクファクターと呼べる要素は大きく分けて、3つあります。
それが、『環境因子』と『宿主因子』、そして『生体因子』です。
●環境因子●
歯周病を発症する環境因子とはどのようなものかというと、大きな括りとして解説すると、生活習慣の事を指します。この環境因子は、主に、歯周病にかかりやすくなる環境を作ってしまう要因として挙げられる要素です。この生活習慣の中に危険因子が存在する為に、歯周病は生活習慣病の一つと言われているのです。
では、どのような要素を指すのかというと、例えば、ブラッシングの習慣であったり、喫煙やストレスといった物が当てはまります。
【喫煙】
喫煙は、リスクファクターの中でも、歯周病を大きく悪化させてしまう要素だと認識しましょう。
タバコを体内へと取り込む事で、身体の中でどのような変化をもたらすかというと、以下の2つがあります。
・白血球の機能の低下・
まずは、白血球の機能低下です。
白血球とは、血球の一種ですが、血液の中に漂っている単一細胞です。アメーバ状に形を変えて、毛細血管の壁を出入りする事ができる為、組織内の異物を除去してくれるという働きがあります。この異物とは、字の如く、身体に不適切な物質という事です。

 

 

細菌やばい菌といった、身体の不調の原因となる物質を排除してくれる働きがある為に、広義的な意味としては、人々の生命を守る免疫担当の細胞といえるでしょう。
この免疫機能を持つ白血球の機能が低下する事により、歯周病菌に対しての抵抗力も低下してしまうという事になります。
本来の白血球の能力を持っていたならば、細菌を退治できていたはずが、出来なくなってしまうという事なので、結果、歯周病になる確率が高まってしまいます。
・毛細血管の収縮・
そして、喫煙によって引き起こされる現象がもう一つあります。それが毛細血管の収縮です。
血管が収縮される事で、歯へと巡るはずの血液が行き渡らなくなり、血行不良を引き起こします。
血行不良といっても、見た目の歯肉の炎症というのは少なく、気に留める事がないケースがほとんどです。ですが、見た目の印象とは違って、歯周病を発症した場合には、治りが悪くなってしまったり、歯周病の症状の初期段階の一つである、歯茎からの出血というのも抑制してしまう為、歯周病を発症した事にも気付きにくくなってしまいます。そしてそのまま放っておく事で、重症化させてしまうというリスクを高めてしまうのです。
このように、喫煙というのは、歯周病の発症・進行に対して大きな関わりを持っているリスクファクターです。吸わない方と比較すると、一気にリスクが高まってしまいますので、特にタバコを常時吸われる方は、歯周病予防という観点では注意していく必要があります。

歯周病のリスクを高める環境因子 ストレス

【ストレス】
ストレスというのは、何らかの刺激によって与えられた『心や身体の状態』の事を指します。
このストレスも、歯周病に対する環境因子の一つつなります。では、ストレスとはどのような物なのか。
先に説明した、”何らかの刺激”というのは、実に多種多様です。例えば、苦手だと思っている人から嫌味を言われてしまった…という刺激を与えられたとしましょう。
すると、どのような心や身体の状態になるのかというと、以下のような状態です。
・ストレスの原因・
苦手だと思っている人が私に言った嫌味
・ストレス・
自分自身が感じた、腹立たしさや嫌な思い、といった負の気持ち
これが、ストレスです。こう書くと、ストレスとは、嫌な事とイコールだと思われるかもしれません。例えば、『貴方のストレスは何ですか?』と問われた時に思いつくのは、
・仕事上の付き合い、共に仕事をしている人との人間関係
・近所や学校等といった間での人間関係
・仕事や担当行事等、担当業務イベントのプレッシャー
・ノルマ
・長時間の満員電車での通勤、通学
・忙しすぎる仕事
・お金がない
・騒音トラブル
・政治家への不満
等といったような、嫌な出来事・嫌な気持ち・不満といった物ではないでしょうか。
ですが、ストレス=嫌な事ではありません。
よくこの点を勘違いされている方がいるので、ここでも詳しく解説していきたいと思います。
●ストレスは嫌な感情も嬉しい感情も含まれている●
では、ここで幾つか出来事を書き出していきましょう。
・苦手な人と一日中一緒に仕事をしている
・好きな異性と、一日中久しぶりにゆっくりと過ごした

 

 

・明日からテスト期間。徹夜をしたり苦手な教科の勉強をした
・運動会に向けて、大好きな種目の練習を頑張っている
・今日で年末年始の連休が終わって、明日から仕事や学校が始まる
・明日から、待ちに待った海外旅行!
以上書き出したような体験をした、または似たような体験というのは、誰もが経験した事のある事ではないでしょうか。
これらが与える『心や身体の状態』は、嫌な感情も入っていますが、嬉しい感情等も含まれています。
実は、これらすべてがストレスです。
この他にも、結婚に離婚、昇進に左遷、嫌な仕事に楽しいデート、入学に卒業、嬉しい事、辛い事、楽しい事、悲しい事、不愉快な事…。全ての感情や身体の状態というのがストレスになるのです。
こんな事までがストレスの原因になるの?と思うような物もあります。ですので、ストレスというのは、”心と身体が受ける、全ての刺激”だという事を認識しましょう。
では、ストレスを受けない状態というのはあるのでしょうか。これに当てはまるのは、変化であったり、刺激がない状態の事を言います。簡単に言うと、リラックス状態です。
刺激というのは、温度であったり、光や音といった物も刺激として身体に受けます。ですので、ストレスを受けない状態として、近いイメージとして挙げるのであれば、ぽかぽかとした陽気で静かな昼下がり、縁側でうたた寝をのんびりとしているーー…このような状態といえるでしょう。
そんな”ストレス”ですが、ストレスにも、精神的なものと肉低的なものに分ける事ができます。

 

 

 

●肉体的ストレス●
それでは、肉体的なストレスとはどのような事を指すのか。幾つか具体例を出すと、このような事項です。
・激しい運動
・長時間の通勤
・悪い姿勢
・食品添加物
・睡眠不足
●精神的ストレス●
もう一つのストレスは、精神的なストレスです。それが以下のような事項になります。
・うれしい
・楽しい
・不愉快
・悲しい
・つらい
このようにストレスは分けられ、原因というのも複雑で様々に存在します。
そして、ストレスの特徴の一つなのですが、例え同じような原因が与えられたとしても、それをストレスと感じるかどうかというのは、人それぞれであるという事。
人は個々で、肉体面でも違いますし、性格や考え方というのも違います。このような個々の特性から、ストレスという刺激として身体や心に与えられるのか、そうでないのかは変わってくるという事になります。
●ストレスが与える歯周病への影響●
それでは、本題です。
何故、このようなストレスが歯周病の環境要因となっているのか。そのメカニズムを解説していきます。
まず、心や身体にストレスという刺激が与えられ、それが過度に繰り返されたりすると、身体の中にある免疫力が下がっていくという状態になってしまいます。
この免疫力の低下によって、次に引き起こされるのが、細菌への感染。健康な状態に比べて感染しやすくなります。
この状態は、歯周病菌に対しても当てはまる事で、歯周病を発症するリスクというのが高まってしまうという事です。
特に、こうした免疫力の低下というのは、精神的ストレスの方が、打撃を与えていきます。
●ストレスで変わる生活習慣●
そして、このストレスによって、人は日々の習慣が変化していきます。
例えば、食生活を見ていきましょう。

 

 

 

普段ならあまり食べないようなチョコレート等の嗜好品をよく食べてしまう。脂っこい物を異常に欲してしまう。インスタントや外食が増えてしまう…等といった変化です。
このような食品等を過剰に摂取したり、生活スタイルが変化する事で、通常とは違った食生活が、またストレスを助長させたりする事があります。そして、歯周病菌を増殖させてしまう事へも繋がります。
また、ブラッシングが疎かになったり、たばこを吸われる方は喫煙の回数等といった事も、このストレスによって変化するケースがあり、歯周病が進行しやすい状態になる事がありますので、注意をしていきましょう。
●ストレスが全くない状態も、身体には良くない●
では、ストレスがなければ、歯周病にならなかったり、悪化したりしないのかというと、実はそうではありません。
ストレスは、実は無さすぎたり、少なすぎたりするのも、身体への不調を引き起こしてしまうのです。
大事な事は、ストレスという刺激と、リラックスという刺激のない状態を、バランス良く保っていく事。これが、大切なのです。
とはいうもの、現代の人々は、ストレスを多く抱えてしまう方が多いという傾向があります。ストレスを溜めてしまっているという事に気づいていないというケースも多いのです。

歯周病のリスクを高める環境因子食習慣

歯周病にかかりやすくなる環境要因として、喫煙・ストレスの他に挙げられるのが、食習慣です。
●食習慣●
食習慣の中でも、特に注意したいのが、甘い食べ物や柔らかい食べ物です。そうした食べ物を多く食べる習慣をお持ちの方は、リスクを高める要素を持っていると考えましょう。
こうした食品は、歯周病の直接的な原因であるプラークを増やしてしまい、また、歯に付きやすくしてしまうという要素を持っています。
プラークの好物は糖分です。糖分を食べる事によって、どんどんと増殖していってしまうのです。
スナック菓子やチョコレート等の甘い物を過剰に摂取していませんか?
炭水化物ばかりを食べていませんか?
砂糖の沢山入った飲み物や、アルコールを飲み過ぎていませんか?
このような不規則な食事であったり、栄養の偏りがある為に、身体全身への健康そのものに対しても、悪影響を与えてしまう事になります。
特に、歯周病は糖尿病とも深い関わり合いがあります。
ですので、高カロリーな食べ物であったり、高脂肪や塩分、そして糖類といった物が沢山含まれている食事は控えるようにしたり、アルコールの過剰な摂取、食べ過ぎ等にも気を付けていき、主食・副菜・汁物といった食事をバランスよく摂取していくという事を、日々心掛けていく事が大切です。
●咀嚼●
そして、これらの食事をしっかりと噛んで食べる事も、実は歯周病菌の繁殖と密接な関わり合いがあります。
よく噛まずに、数回噛んだら飲み込んでしまう…仕事が忙しかったりすると、こうした食べ方が習慣になっている方もいらっしゃいますね。

 

 

ですが、こうした食べ方を続けていると、唾液がしっかりと分泌されなくなっていきます。
唾液というのは、とても重要な働きを担っており、口腔内に入ってきた細菌の繁殖を防御するという役目があります。
ですが、唾液自体の量が減ってしまう事で、こうした働きが上手くいかずに、細菌の方が力をもって、どんどんと繁殖していってしまうのです。
咀嚼回数が少ない人は、唾液の量が減少している可能性がありますので、意識して噛むという事を心がけていく事が大切です。
●間食●
冒頭の方でも解説しましたが、歯周病菌は、糖分によって増殖していきます。
甘い物等を、だらだらと小腹が空いたから、口さみしいから…と摂取していってしまうと、口の中には、常に糖分が存在している事になってしまいます。
これでは歯周病は悪化していってしまいます。常に、何かしらバッグの中であったり、仕事場の引き出しの中に、甘い物はありませんか?
少量を決まった時間に、適度に摂取する事は、リフレッシュにもなりますし、効率よく仕事ができるという利点もあります。
無くすのではなく、過剰に摂取していないか、一度チェックしてみましょう。
●バランスの良い食事●
食習慣で大事な事は、ビタミンやカルシウム、炭水化物、タンパク質等といった様々な栄養素が、バランス良く含まれた食事を摂取していく事です。それらをよく噛んで、決まった時間にしっかりと摂取していく事が、健康な身体を維持する基本となっていきます。

歯周病のリスクを高める宿主因子 遺伝

歯周病のリスクを高める3つのリスクファクター。それは、『環境因子』と『宿主因子』、『生体因子』ですが、ここでは宿主因子について詳しく解説していきます。
●宿主因子●
宿主因子とは、歯周病が悪化し、重症化しやすい要因として認識していくと良いでしょう。どういったものを指すのかというと、一言でいうと、自身の身体の状態の事を指します。
例えば、遺伝であったり、糖尿病を患っている、白血球の機能異常がある…といったものです。
●遺伝●
ここで注意して欲しいのが、歯周病自体が遺伝するのではないという事です。
例えば、歯周病をご両親が患っているとしましょう。その場合に、その両親から生まれてきたお子さんが、歯周病になるかというと、そうではないという事です。
歯周病は感染症です。そして歯周病の原因は、プラークと呼ばれる歯垢の中に含まれている歯周病菌という細菌です。
これらは遺伝では移りません。
では、なぜ遺伝が宿主因子となるのかというと、歯周病になりやすい要因というものが遺伝する可能性がある事が分かっているからです。
以下のような調査結果があります。
重症と呼べる歯周病を患っている人の家系を調べた結果、両親であったり、またはどちらかに、重度の歯周病が確認されるというケースが多いというのです。
こうした場合には、遺伝によって歯周病が発症した場合に、重症化する可能性、リスクが高まるという事が、現在科学的に証明されはじめているのです。

 

 

 

どのような物が遺伝するのか、気になりますね。それが以下の2点です。
1.歯周病菌(細菌)に大して、感染しやすい等といった、抵抗力の遺伝
2.プラーク(歯垢)が歯に付きやすいといった、歯並び等の歯の構造の遺伝
このような歯周病の発症のリスクとして高まる要素が、遺伝する可能性があります。
ですので、結果的に考えると、歯周病の親から生まれてきたお子さんは、歯周病になってしまうリスクというのは、歯周病を患っていない親から生まれてきたお子さんに比べると、高くなる可能性があるといえるかもしれません。
●歯並び●
歯並びというのは、とても大事です。
本来生えてくるはずの場所から異なった場所から歯が生えているという状態ですので、咀嚼やあごの形といった物に大きな影響を与えてしまいます。
歯周病でも同じで、大きな影響があります。
歯並びが悪いと、ブラッシングが上手くできないという欠点があります。これでは、汚れが溜まりやすいという状況を作り出しますし、口が閉じられないというケースもあります。こうなると、口腔内の中では唾液の量が少なくなり、乾燥した状態に。
これは、細菌にとっては好条件です。増殖に拍車をかけてしまうので、歯並びが悪い方は要注意です。
このような方は、磨き残しがないように、正しいブラッシングを行いながら、定期的に歯医者で検診を受けたり等して、プラークを除去していく事が大切になっていきます。
●まとめ●

歯周病のリスクを高める宿主因子 糖尿病

●糖尿病●
歯周病というのは、口の中の状態だけではなく、身体の病気が原因によって、なりやすい・重症化しやすい・治りにくいという可能性が高まってしまう病気です。
これは、糖尿病だけに限った事ではなく、風邪であったり、疲れが溜まっている等といった、些細な体調の不調によっても、免疫力が低下する事によって、細菌に対しての抵抗力が落ちてしまいますので、歯肉が炎症を起こしやすくなったりといった、症状を引き起こします。
心臓疾患を患っていたりなど、様々な病気が歯周病とも関わりがあるのですが、そんな中でも、糖尿病というのは、最も関わりが密接な病気といっても過言ではありません。
歯医者へ行き、歯周病と診断された事で、糖尿病が見つかったというケースも珍しくないのです。逆に、糖尿病と診断された方に、歯周病が見つかったというケースも多いです。
では、なぜこのように糖尿病は、歯周病との関わりが深いのでしょうか。
●糖尿病になる事での体内変化●
どのような病気でも当てはまる事ですが、糖尿病になると、身体が本来もっている抵抗力が低下してしまいます。
ですが、糖尿病の場合は、そこから合併症を引き起こします。
糖尿病を発症すると、合併症が怖いという事で怖れられているのですが、抵抗力が低下している状態というのは、『細菌に感染しやすい状態』の事。これを歯周病に当てはめると、『歯周組織が歯周病菌に侵されやすくなる状態』になるという事です。

 

 

そして、糖尿病を発症すると、唾液の量が減少していってしまいます。
唾液の働きは、口腔内に存在している細菌を洗い流すという、重要な役割を担っています。減少するという事は、この働きが弱くなってしまうという事です。
そこに加えて、糖尿病には白血球の機能を低下させてしまうという問題があります。
白血球の役割は免疫機能ですので、身体の異物である細菌といった毒素を排出する働きがあります。
この機能も低下させてしまうので、身体の中に入った細菌は、除去されるどころか、どんどんとその数を増やしていき、力を強めていきます。
こうした身体の不調によって、歯周病を発症しやすくなったり、治りづらくなってしまったりと、問題が発生してくるのです。
●同時に治療をしていく●
このように、歯周病と糖尿病は発症・進行に対して、密接な関わり合いがありますので、同時に治療していく事が大事になっていきます。
歯周病を治療していき、症状が改善されていった方が、糖尿病の状態も改善していったというケースも聞かれますが、これについては、まだ科学的に立証されている訳ではありません。
ですので、仮に治ったと思っても、再発してしまうという可能性も高いのです。
糖尿病を患っていた場合、見つかった場合には、歯周病治療と同時に糖尿病も治療をしていくという事が必要であり、大切なのです。